虫歯の進行について説明させていただきます。
まず、
咬合面の溝(
臼歯のかみ合う面)・
隣接面(隣り合う歯との接触する点)・
歯頸部(
歯茎に近い部分)などの不潔になり易い部分の
エナメル質が脱灰します。
エナメル質は歯の中心に向かっている細い柱状の結晶構造(エナメル小柱と呼ばれます)です。
この
エナメル質内を細菌が侵入し内部の
象牙質に到達すると、細菌は
エナメル質と
象牙質の界面に沿って面状に広がります。
池に石を投げいれるとそこを中心に円状に波紋が広がるように細菌が広がります。
象牙質も中心に向かって走行している
象牙細管という構造体でできています。
細菌はこの
象牙細管を通って
虫歯を広げていきます。
点で発症したものが、面で拡大し、そこから一斉に内部に広がっていきます。
そのため、外側の
エナメル質が健全でもそれを支える
象牙質が歯の内部で
虫歯により柔らかくなり、
エナメル質にかかる外圧を支えきれなくなると、
エナメル質は結晶構造に沿って
破折します。
ある日突然穴が開くということになります。
慢性的な
咬合面からの齲蝕を放置して中で大きく広がってしまった場合など、内部の感染象牙質を治療のため削合した時、外側の
エナメル質はしっかりしているように見えても、
歯頸部での
エナメル質を維持している
象牙質が無くなったら
エナメル質は帽子を脱ぐようにすっぽりと取れてしまいます。
ご自分で思っているほど実際は小さな
虫歯でないケースが多いです。
根の治療の際には、蓋をする都合上外側の
エナメル質はあったほうがよいため、あえて削らないこともありますが、治療中に状況により
破折することもあるかもしれませんし、根の治療が終了し、感染象牙質を全部削り取ると
エナメル質がすっかりなくなってしまうことも上記の理由で十分考えられます。
感染象牙質には
セメントや樹脂がしっかりくっつかないため、虫歯治療では削合が必須です。
勿論削り残しがあれば、治療後に内部で進行しますので削り残しはいけません。
以上のような理由でそのような結果になったのでしょうが、事前の説明があればよかったですね。