歯のお悩み相談詳細

ご相談

ちょうど1歳になる息子のことで相談いたします。

ユウ様15歳男性
先日歯医者に連れて行ったところ、上の前歯2本が虫歯になっているということでサホライドを塗布されました。まだ11ヶ月だったので、まさか虫歯になっているとは思わず突 然のことで戸惑っているうちに、「これから薬を塗ります。塗ると 歯が黒くなりますけどいいですね?」と言われ訳がわからぬまま前 歯が真っ黒になってしまいました。

こんなに小さいうちから虫歯にしてしまったことが息子に申し 訳なく、真っ黒な歯を見るたびに涙が出てしまいます。 どうしても気になったので二日後、今後の歯の治療について質問に 行くと、「もし歯を削って治療したとしても綺麗に削れないので 100パーセント再発します。乳歯が抜けるまで様子をみるしか ありません」ということでした。

しかし生え変わるまではまだまだ何年もかかってしまいます。 一番目立つところだけにどうしても可哀想で気になって仕方ありません。今後物心がつくころに、自分だけ歯が黒いことに気がついた ときどう感じるのかととても心配しています。やはり抜けるまでこのままの状態で待つしかないのでしょうか。医師 によっては治療に協力できる3歳程度まで待ってから治療をする、とい う意見もみかけますが、それはハイリスクなことなのでしょうか。 そして、もし治療ができるとしたら一般的には何歳ごろでしょうか。 もちろん個人差があることは承知しています。

あと、飲み物は麦茶以外与えたことはないですし、お菓子も時々赤 ちゃん用のせんべいをあげていた程度なのでなぜ虫歯になってしま ったのかもわかりません。 考えられることと言えば夜中の頻回授乳と、小児科で処方され2週間 ほど飲んでいた甘いシロップです。 こういったものも虫歯の原因になりえますか。 他の歯まで虫歯になってしまったら・・・、 と毎日不安でいっぱいです。

小郷 邦治 先生からの回答

岡山県
小郷歯科医院
小郷 邦治先生
1歳の息子さんの「真っ黒な歯を見るたびに涙が出てしまいます」という のは、我が子をを思いやる優しい親のお気持ちが、よく理解できます。 本当にお優しい方ですね。

ただ、「真っ黒になってしまいました」ということは、虫歯はかなり 進行していました。歯が生えて、たった4.5ヶ月の内にそれ程の虫歯にしてしまったことは、親としてかなり歯に対する意識が低いです。厳しい言い方ですが、子の育児福祉に対する、親としての責任が果たしていなかったということです。自分なりの考えがあったみたいですが、全くできていなっかたとしか言えません。

「お菓子も時々赤ちゃん用のせんべいをあげていた程度」は、これは認識が 甘いです。「せんべい」の小麦粉、または、米粉はでんぷんですから、砂糖が無添加でも、唾液で分解すると糖になるので、虫歯の原因物質になります。 例えば、塩味ポテトチップスと米だけ食べても虫歯になります。 「夜中の頻回授乳」は、母乳であれば良しとされ、歯科医学では母乳の授乳 はあごの発達や脳の発達に大いに推奨されますが、虫歯の原因になるの で要注意です。しかし、既に離乳の時期がありますから、離乳食は出来合いのものよりもひと工夫した薄味の野菜などを試していくとよいですね。 自然の野菜の味を覚えさせることです。 間違っても、乳児から、乳酸菌飲料(カルピス、ヤクルト)、チョコレート、 炭酸飲料、スポーツ飲料などを与えてはいけません。 必ず、早期に歯は溶けて無くなります。これは、まさに、親の無知からくる、子供の歯に対する虐待かも知れません。 飲み物は、お茶、麦茶、天然100%ジュースで、十分です。 (尚、乳酸菌は、虫歯をつくるの原因菌の1つです。)

治療に関しては、1歳では、無理です。まだ神経までの虫歯ではありま せんから、治療する必要はありませんし、サホライド塗布しかできません。 歯はまだ伸びるように萌出してきます。治療は、やはり3,4歳にならなければ、出来ません。今は、前歯の治療よりも、今の虫歯の進行をさせないことと他に奥歯が生えてくるので、その奥歯を虫歯から守ることの方が重要です。 可能ならば、定期的なフッ素塗布(黒くならないフッ素)と、歯科医院か保健所などで指導を受けるようになさってください。

それに加えて、息子さんが嫌がっても、本当の愛情があれば、もう二度と自 分がいやな思いをしたくないし、息子さんにも痛い思いをさせられないという信念から、そして、輪状になった黒い虫歯を見るたびに、教訓として、歯磨きをしてあげなかったことの無知さを思い出して、ひたすら、息子さん の歯を、愛情いっぱいにていねいに磨いてあげてください。 大変厳しいことを言いましたが、本当に優しい方であられるので、必ずでき ると、確信しています。 ただ、最低必ず寝る前に、歯の汚れをきれいに取ってあげるだけでよいのです。(可能なら、朝の時間にもう1回磨いてください。) がんばってください。

渡辺 英弥 先生からの回答

渡辺 英弥
福島県
渡辺歯科医院
渡辺 英弥先生
確かにショックだったと思います。が、これだけ意識が高い方ですのでこの 先については、いい結果がついてくるのではないかと考えます。 乳歯永久歯と比べてエナメル質が薄く、虫歯になりやすい傾向があります。1歳ですので上下で8本から10本前後の歯が生えているのではないでしょうか。進行止めも治療として正解です。ただ歯が黒くなるのが欠点ですよね。

2歳後半くらいに(子供によってばらつきはあると思いますが、もっと小さ い子でも治療ができる子もいればだめな子も、歯科医院に行って少しずつ慣 れてみてください) もし治療ができるようでしたら、白い詰め物をすることも可能だと考えま す。この先は、虫歯のことだけに意識を置かないで、咬合育成に 意識を移されてはいかがでしょうか。 乳歯永久歯が生えるための大事な道先案内人です。 これからは、奥の歯が出てきますので歯の表面、歯の間虫歯にしないよ うに、予防処置定期健診をされればいいのではないでしょうか。

ちなみに、うちの子供は最低夜寝る前ハブラシの後に、フッ化物ジェルを毎 晩使用しています(本当に低濃度、ほんの少量年齢に応じて持続的に使うこと)。 お恥ずかしながら、うちの長女も上の前の歯の間に虫歯を作りまして、この方法を励行しました、さらに虫歯になったところをフッ化物ジェル をハブラシに付けまして磨き上げました。 それにより、歯に欠損は存在しましたが虫歯の進行は止まりました。 現在は小学生虫歯無しです。 最終的には、きれいな大人の歯に、歯列になることが目標ですので、いまか ら定期的に歯科医院に通って予防法を教わること、定期管理をすること、自 宅で予防を励行することで大丈夫だと思います。と同時にもしご自身が定期 管理をされていないようでしたら、率先してチャレンジしてみてください。 お子さんに良いアドバイスができるようになると思います。

玉置 敬一 先生からの回答

玉置 敬一
和歌山県
玉置歯科医院
玉置 敬一先生
mailありがとうございます。

とても心を痛めておられる様子が分かります。 歯科医学にはいろいろな考え方があり、「どれが正解」というのもなかなか 見つかりません。1歳のお子様の、前歯で目立つ歯が黒くなった事にとても 驚いているご様子が分かります。 私たちも毎日の臨床で、「このお子さんの歯をなんとか守りたい」という一心でこのような治療をすることがあり、これからも心せねばならないと思い ます。 ただ、サホライドを塗布しても健康な歯質は黒くなりません。 このことから、ご子息の前歯はう蝕(虫歯)になっていたと考えます。 その時、歯を守る方法にいくつかあります。 どのような方法を取るかについてお母様によく相談があれば良かったのでしょうが、「薬を塗ります。黒くなりますがいいですね」とだけいきなり言われたのではどのようになるのかわからなかったお母様のお気持ちはよく分かります。

この歯科医師のお話もよく聞かなければ真意はわかりませんが、熱心な歯科 医程「これ以上歯を悪くしたくない」という思いが強いものです。 想像ですが、この先生もきっと「歯を悪くしたくない」という気持ちが強か ったのではないかと思います。

1.このまま放置するともっと悪くなる。その時はもっと前が欠けて、もっ と みっともなくなる。

2.これ以上悪くしないように、う蝕(虫歯)の進行を止める。先生はそ のように考えたのだと思います。 前歯が黒く、その歯を見るごとに涙が出るお母様のお気持ちもよく分かります。 一度「小児歯科」と表示のある歯科医院を訪ねてください。 あるいは歯科大学には「小児歯科」が必ずあります。 1歳で削るのは難しいかもしれませんが、何回か歯磨き指導を受けたり、 フッ素塗布(これは黒くなりません)をしてもらって、(時間がかかるかも しれませんが) さらに治療ができるようになれば、奥歯の「シーラント」というのをし てもらったり(これは削らないで、歯の深い溝を細菌が増殖しないように埋 める方法です。痛くないので、小さいお子様でもできる事が多いです)して いる間に、治療に慣れれば今黒くなっているところをうまく削って、白い材 料で埋める治療をしてくれると思います。 また、小児歯科ではきっと食事指導などもしてもらえます。 頻回の授乳、おせんべいやお薬のシロップまでお考えで、おやつも含めて、 日常生活や食習慣をどのようにすれば良いのか全く分からなくなっているの かもしれません。 う蝕(虫歯)の原因となる要素はいくつもあります。

たとえば同居家族の中にう歯虫歯)を持った人はいませんか? う蝕(虫歯)が無くても、その原因になるような細菌を持った人はいま せんか? もちろん検査をしなければ簡単に出る答えではありませんが、開業医でも細 菌検査をしてくれるところもあります。小児歯科にかかるときっとそのよう なことも含めていろいろ原因を考えてくれると思います。 お一人で「あれが悪かったのか、これが悪かったのか」と悩み込まないで、 気楽に歯科医に相談なさり、原因と思われる事を一緒に考えて、原因を取り 除く事が大切だと思います。 お子様の長い生涯を考え、今すぐに何ができ、何をする事が大切かを考えて あげてください。歯科医師はきっと相談に乗ってくれます(乗ってくれなければ、乗ってくれる歯科医に巡り会えるように何軒か探してください)。 お子様の真っ黒な前歯を見ると、お母様のお心が痛むのはよく分かりますが、 今ある状態をできるだけ早くお子様のためになるように共に考えたく思います。 お一人で悩み込まないでぜひご相談ください。 的確なお答えになっていないかもしれませんが、この「歯のねっと」には歯 科の中でもいろいろな専門の先生もいます。 現状とお気持ちをお書きいただく事で何かお手伝いができるようにも思います。 お気持ちを楽にしてお話しください。

須田 晶 先生からの回答

長崎県
アキラデンタルオフィス
須田 晶先生
ユウ様

あまり悲観的になられないでください。 虫歯のリスクは管理すれば良いだけですし、練習すれば低年齢でも特に レストレーナー(反射を抑制するための網のようなもの)なしでも治療はすることができます。大丈夫です。 まず最初に塗った薬剤はフッ化ジアミン銀で主に虫歯予防のために使うものですね。逆に11ヶ月のお子様に塗るということは予防的な意味合いが強く、虫歯といってもすぐ痛みが出るような削って詰めないと治らない虫歯 ではないとも考えられます。

黒くなった部分は虫歯ではないのですが、色は取れにくいと思われます ので、気になるようだったら、後々に練習してレジン(プラスティック)を 詰めればよいだけです。
また虫歯の原因について >夜中の頻回授乳と小児科で処方され2週間ほど飲んでいた甘いシロップです。 とありましたが、確かにシロップは糖度が高いと思われます。 また一昔前は風邪をひいて熱を出すと「ポカリスエット」のようなスポーツ ドリンクを薦められ、現在では経口補水液を処方されたりします。 具合が悪いときにはお子様も歯磨き・ケアを嫌がられるので、元々虫歯 のリスクが高いお子様は虫歯が一気に進む場合もあります。

しかし、虫歯のリスクはその人が持っている唾液の質、虫歯の菌数・活性などいろいろです。 また虫歯の感染経路は周りにいる人(主に母親)からの伝播(でんぱ) です。(飛沫感染・口移しなどと違います) ご家族の方々が強い菌を持っていた場合、子供に強い菌がうつってしまう場 合もありますが、菌の定着は日本人の平均は2歳3ヶ月とデータもあります。 定着するまで環境は変えられるということです。 今からしっかりシュガーコントロールすることと、周りの人たちのお口の中 もしっかり治して下さい。 虫歯はまだ原因がわかればしっかり治せる病気なので、あまり悲観的にならず、かといって神経質にもならず、正しい知識でお子様のお口の中を守っていってくださいね。

山田 恵子 先生からの回答

宮城県
やまだけいこ歯科クリニック
山田 恵子先生
ご相談ありがとうございます。

歯が黒く変色したのは虫歯の進行止めのお薬のためです。この薬は確かに進行を抑制する力はありますが、幼いお子様でもやはり黒い 歯は可哀相ですね。11ヶ月では削って詰める治療は確かに大変ですが、穴を作ってしまった虫歯虫歯の部分を除去して詰めるべきと思います。 お子様の歯科治療は小児歯科専門医をおすすめします。お子様の心身の成長 に沿った治療をするように訓練しております。 正しい対応をすればどんなお子様でも歯科治療を受け入れることが出来るよ うになります。安心して小児歯科医にお任せ下さい。 できるだけ早く専門医を訪ね、予防や定期健診を受けましょう。

また虫歯の原因ですが、やはり頻回の夜間の母乳摂取も考えられます。 どうしても夜間の母乳がやめられないのであれば、就寝前の歯磨きを徹底し て決して磨き残しをしないようにしましょう。 また、母乳の後のに少し水を含ませるなどもお口の中に乳汁を残さない工夫 といえます。 黒く変色した歯でも削って詰めれば目立たなくなりますのであまり思い詰めずにおおらかに子育てを楽しんで下さい。

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