う蝕(虫歯)というのは、水晶の硬さと同じくらい、硬い歯が細菌に感染して、歯がボロボロになることを言います。
下記のう蝕(虫歯)の図で、黒く塗った部分にう蝕(虫歯)ができています。青色で四角に囲んだ部分の拡大図が下記の右のう窩(虫歯の穴)の写真です。
この写真は、ネズミにS.mutans(ミュータンス菌)と砂糖を食べさせて、う蝕(虫歯)を作らせ、できたう窩(虫歯)の部分を顕微鏡で見たものです。「黒くなった」まだその先、神経のすぐ近くまで、細菌は深く浸透しています。
1)歯の咬む面(咬合面)の中に、細い溝があります。その中に細菌をためるとそこからう蝕(虫歯)が始まります。
2)エナメル質を通った細菌は、象牙質へ入り、象牙細管を通って神経の穴に入っていきます。
なぜ、虫歯になるの? 1.食生活の乱れ 1)自浄作用のある野菜や固いものを食べない。
2)甘いものや、粘りのある物が好き。
3)食べる時間が不規則
2.唾液の性状 1)酸の中和力が弱い
2)ねばねばした唾液
3)唾液の量が少ない
3.う蝕原生細菌が多い |
→ | どうしたら防げるの? 1.食生活の改善 1)まんべんなく食材を取る(自浄作用のある野菜や固いもの)
2)甘いものや、粘りのある物はできるだけさける。
3)生活リズムをよくする。
2.固いものをよく咬み、唾液腺を刺激。水分を十分に補給。全身の体調を整え自律神経を正常に。 |
3.歯の構造
6)セメント質:歯の根っこの周りを覆っている骨状の組織です。
7)歯槽骨(シソウコツ) :歯を支えている骨。
4.う蝕(虫歯)の処置①

上顎第二大臼歯に2つのう蝕(虫歯)があります。ほぼ中央(赤色の円)の黒い部分が中央小窩といい、この部分はう蝕(虫歯)が発生しやすい場所です。このう蝕(虫歯)はダイアグノデント(レーザで、う蝕(虫歯)の感染の度合いを調べる器械)で調べると細菌が深く感染しているのが分かりました。
5.う蝕(虫歯)の処置②

6.う蝕(虫歯)の処置③
治療として、中央小窩は切削器具を使い細菌に感染した部分を削除しました。切削した場所は穴が開いて見えます。
う蝕(虫歯)検知液とは、歯の中に感染した細菌を染める液です。
7.う蝕(虫歯)の処置④

赤色の円で囲った部分が先ほど切削したう窩に相当する部分です。先ほどの穴が嘘のようにきれいに修復でき、まるで最初からう蝕(虫歯)などなかったように修復できました。現在では、早く治療すればこのように、痛くなく、1日で、きれいに修復することが可能になりました。また、黄色の円で示した、遠心小窩と遠心舌面溝は削らないで、フッ化ジアミン銀という薬と、治療用の半導体レーザを使って細菌の活動を不活化することでエナメル質を保存することができました。
また、う蝕(虫歯)になったことに気がつかないで、‘しみたり’、‘痛くなった’りしてから治療に行くと、大きな侵襲になり、もっと大きく削ったり、神経の穴まで細菌が行っているために、大きな治療になり、隣(右)に見られるように金属でかぶせなければならないようになります。
【治療後】
早く治療すると、このようにきれいに修復できます。